ムスカの行方

　『天空の城ラピュタ』（宮崎駿監督、スタジオジブリ制作、1984年）に出てくる悪役・ムスカの行方を追う。

ムスカの横顔　軍大佐。政府からラピュタ探索の密命を受け、ティデス要塞爆発炎上事件後、指揮をとる。シータの飛行石を奪取し、その石の力で天空の城ラピュタに到着後、そのラピュタ乗っ取りを企むも、シータ（とパズー）の破滅の呪文で城が大規模に崩壊。行方と安否が心配されている。古い秘密の名前＝ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ。

カット1595に彼はいた

　「ああ…、目が…、目がぁぁぁ〜〜〜！！！」

　ムスカは、この言葉を残して崩落するラピュタの中に消えていった。一体どこにいったのだろうか？　映画の設計図である絵コンテで彼を捜索した。その結果、いた。

　「滅びの呪文」により崩壊していく天空の城ラピュタ。下は絵コンテのカット1595の絵とその説明（ト書き）である。

	雨と降りそぞく ラピュタの残骸 空中で崩れていく塔 ロボットや大きな 建物の断片なども
※説明で「そぞく」は「そそぐ」のことだと思われるが、直さずそのまま掲載した。

　……！？？？

　……！！！？

　いた―――――――――――――！！！

　2本の手、2本の足。明らかに人間が大の字で真っ逆さまになって落ちている。しっかりと「ムスカ」と棒線付きで書かれている。絵では短足だが、彼に間違いない。

　しかし、絵コンテはあくまでも「設計図」である。完成作品はどうかというと、いた。当該カットのシーンでもきちんと彼は落ちていっていた。「カメラ」と反対の方向を向いているので、顔は確認できないが（それ以前に極めて小さいが）、茶色の服を着ていたので、十中八九、ムスカだ。……合掌。

参考文献

• 宮崎駿『スタジオジブリ絵コンテ全集(2)　天空の城ラピュタ』徳間書店、2001年（引用はp.663）