世田谷Teens編集部って？

　世田谷Teens編集部（せたがや・てぃーんず・へんしゅうぶ）は、（財）世田谷区都市整備公社まちづくりセンター（まちセン）が1999（平成11）年度から2003（平成15）年度まで取り組んだ自主事業です。

まちづくりに「10代の視点」を

　公共施設づくりの話し合いの中で、「若者のたまり場になるからつくらないで」「若い人はマナーが悪いから使わないで」という意見が出ることがあります。でも、その場に当の若者世代が参加していることはあまりあリません。どうしたら彼らにも参加の場が開かれるのか、10代の視点で中・高校生と一緒に考えていこうと、世田谷Teens編集部の活動を始めました。これは、情報誌づくリを入り口にして地域にかかわっていこうという試みで、公募で集まった中・高校生が、取り上げたいテーマを話し合い、取材して記事を書き、印刷物にするための版下づくりまで、すべてを担当しています。

自分たちの声を編集した

　特集のテーマは「まんが」「ファッション」「音楽」「まちおこし」など10代の生活そのものと、いじめや不登校、居場所、子どものプライバシーなどの「まじめな話」です。その後子どもたちは、取材した地域ラジオ局エフエム世田谷の番組のレギュラーになったり、学校の新聞部で地域のマップをつくったり、自主企画した討論会が共感を呼んでPTA研修に講師として呼ばれたり、区主催「ミニしゃべり場」の進行を任されるなど、活躍の場を広げています。それと同時に、「ここまで子どちたちができるとは思っていなかった」「中・高校生と話せてよかった」という大人たちの声もあがっています。

　この活動は、区の子ども・男女共同参画課と協力しながら行いました。2002（平成14）年度からは、区が子どもの社会参加について、子ども自身が検討する会議を開くなど、自主性を尊重した子どもの参加へ向けて、新しい試みが始まっています。

（財）世田谷区都市整備公社まちづくりセンター、2002年
『参加のデザイン道具箱 PART-4 子どもの参加』132ページから引用、一部修正