富士登山の記録 1日目

　2005年夏、日本の最高峰・富士山に登ってきました。

プロローグ

　富士山には登山口が5か所ある。北から時計回りで、河口湖口・吉田口・須走口・御殿場口・富士宮口。インターネットで調べてみると、どうやら須走口がおすすめらしい。ここは自宅から最も安い交通費で行ける登山口でもあったので、須走口から登ることに決めた。

　小田急線新松田駅に9:49到着。JR御殿場線松田駅9:55発の列車に乗り換えて、御殿場駅に10:25分に着いた（松田→御殿場：480円）。

　10:40発須走口新五合目行きのバスがあったが、それは見送って、下界でできることをなるべく済ませるようにした。まずトイレ。そして1日目（この日）の昼食と2日目の昼食を駅前のセブン‐イレブンで購入。ゴミは持ち帰らなければならないので、なるべくゴミがかさばらないよう、おにぎりを中心に買った。それにしても、現代の生活は何をするにしてもゴミが出るのだとつくづく思わされた。

　バスの切符売り場で「須走口往復」と告げて切符を購入（2,000円）。バスを待つ人は皆登山者らしい。御殿場駅11:00発の便で須走口新五合目に向かった。

新五合目→七合目

新五合目（登山口）［1,980m］

	12:00須走口新五合目到着。ほぼノンストップかつダイヤ通りにバスは走ってくれた。写真に写っているのが、乗ってきたバス。東京都内を走っているのと同じ、本当にただの路線バス。よくここまで登ってきたもんだ…。　着いてすぐに登り始めるのは禁物。昼食として御殿場駅前で買ったおにぎりを食べながら、体（主に心肺）を2,000mの空気に慣らすことにした。
	新五合目の建物は山小屋が2軒とトイレくらい。ここと比べると北側の河口湖口五合目はかなりの都会である。　富士山の周りは薄く霧がかかっている。少し涼しいので1枚羽織ることにした。山小屋のおばちゃんが温かいお茶を出してくれた。温かいほうが嬉しいくらい、気温は涼しいのだ。 ★トイレ：100円、ソフトクリーム：300円、350ml缶ジュース：200円、500mlペットボトル：300円、金剛杖：1,000円前後（長さによる）
	下山してきた人々が山小屋のお兄さんの「お帰りなさーい！」という元気な声に次々と迎えられている。達成感を顔に浮かべている人もいれば、げっそりとしたままの人もいた。そんな人々を横目に、私たちは新五合目を12:46出発。　ここから先は山道。次の日ここに帰って来るまでは自分の足だけが頼りだ。　さっき1枚羽織ったが、歩き始めると暑くなった。後悔。Tシャツ1枚になる。
	歩いて数分してすぐに古御嶽神社に到着。登山の安全をお祈りして、足を進める。　六合目までは森の中を進む。この日は曇っていたので、それほど暑くもなく、快適な天気だったと思う。約15分毎に約3分の休憩を挟みながらゆっくり登っていった。

新六合目・長田山荘（しゃくなげ山荘）［2,450m］

　14:07新六合目・長田山荘到着。ベンチの下で犬が2匹のんびりしていた。14:27出発。

★焼印：200円、トイレ：200円、350ml缶ジュース：300円、500mlペットボトル：400円、カップヌードル：500円、カレーライス：800円、金剛杖：1,000～1,200円（長さによる）

　徐々に木が少なくなり、草が少し生えているだけという殺伐とした風景になってきた。

　登山道から左側（南側）を眺めると並行する下山道の砂走りが見える。写真の斜めに横切っている一直線の白い筋がそれ。ジグザクの登山道に対して砂走りは一直線。転びそうになっているのか、下山者の叫び声が微かに聞こえてくる。

　下の写真は、砂走りを「走る」下山者を拡大したもの。この勾配を走り下っている。走った後ろにもくもくと立つ砂煙は、（転びそうにオロオロと走っている姿も含めて）まるでギャグ漫画！　あくまでもその時の段階では、一気に下れて楽だろうな～と羨ましく見えた。あくまでもこの時は…。

本六合目・瀬戸館［2,700m］

	15:15本六合目・瀬戸館到着。霧の中なのか雲の中なのか分からないが、見渡しても真っ白。15:25出発。 ★トイレ：200円、カップヌードル：500円、ラーメン：800円、カレーライス（サラダ付）：1,000円
	霧の流れが白い風になっていて、とても涼しく爽快だった。　道は、写真のような看板が随所に立てられているし、ロープも断続的に渡されているので迷う心配は無かった。
	登山道はこんな道。富士山は独立峰なので景色も変わらないし、草木もだんだん無くなってきて、岩と石と道だけになってくる。　霧が漂っていて遠くが見えなかったが、その分涼しくて助かった。
	「JUST DO IT !!」　――いや、だからってナイキのマークは要らないでしょ。　国が立てている看板（2枚前の写真参照）に加えて、地元・小山町の青年部（だったかな？）が立てた手作りの看板も道を案内してくれている。こちらは「ゴミは持ち帰ろう」「美しい富士山は日本の宝」など一言メッセージが付いていたが、七合目手前にて突如、外国人向けに（？）。ちなみに英語のメッセージはここが最初で最後だった。

七合目・大陽館［2,950m］

　16:40七合目・大陽館に到着。まだ登れる時間と体力が余っているが、予約していたのでここで泊まる。

　まず1泊2食分の料金8,925円を支払い「宿泊証明証」をもらい、トイレと寝床を案内してもらった。「宿泊証明証」があると翌日までトイレが無料で利用できる。寝床は2畳に3人が寝るくらいの狭さ。さらに建物内は明かりがないので暗く、持参したペンライトが役立った。17:30から食堂（？）で夕食。ハンバーグ・千切りキャベツ・豚汁がおかず。ご飯と豚汁はお代わり自由だった。

　山小屋の中は、通路の両側に寝床が2段になって続いていて、さらに通路の上に3段目の寝床が設けてある。2段目を経由して3段目に登る。ここは海抜約3,000m、空気が薄くなってきていて、寝床に「よっこらしょ」と上がるだけでも息が上がる。もう寝ている人もいるので、静かに荷物の整理をした。食べ終わって、暗くなってきて、寒くなってきたので、寝ることにした。18:30就寝。

★ステッカー（焼印の代わり）：105円、カップヌードル：735円、500mlペットボトル：550円

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